ウサ シモウサ デザ研 デザケン デザイン経営メンター デザイン経営コンサル パーパス 

©2017-2019 dezaken, powered by usadesign.

なお、私たちも、手探りながらSTP4Pのフレームワークから戦略を立案していました。ですので、原因の真因をつかまないことには、小手先の打ち手では効果が期待できないと感じていました。そこで私たちが第一に行ったことは「不妊治療経験者の方に直接聞いてみる」でした。

そんなこと?と思われるかもしれませんが、ここで少し、考えてみてください。不妊治療経験者の方に直接、トークイベントに参加してみたいですか?と聞いたところで、いいえ。と言われるでしょうし、なぜ参加したくないのですか?と聞いても、はぐらかされるのが関の山。質問を受けている側のご本人もはっきりと認識していないその真の理由には、なかなかたどり着けません。私たちは、不妊治療者の方々ですら気づいていない、この「無意識・無自覚である、不参加の本当の理由」を得るために、不妊治療経験者の方に直接聞き、深層心理を明確にする、という調査をしました。ちなみに、自分でも気づいていない深層の心理には、何が存在していたと思われますか?

ターゲットの心理の、深層にあるもの

この参考画像は、私たちが解明していった不妊治療者経験者の方の深層心理です。比較的浅い所に、「子ども二人とマイホームを持つという、日本における理想的な幸せの雛形から外れてしまい、子どもができなかったことに対する後ろめたい気持ち(※①)」があり、そこから心理を深掘りした結果、深層に「悪いことをしているわけではないのに、不妊治療を受けていることを他人に知られてしまうことの後ろめたさ(※②)」といった心理があり、更にその理由の帰属先として「不妊治療検査の結果、自分の人間的欠陥をさらけ出してしまうことへの後ろめたさ(※③)」という、インタビューを受けている本人でさえ気づいていない、イベントの不参加理由の根本とも言うべき心理が存在することを発見しました。

不妊治療経験者がこのトークイベントに参加することはすなわち、不妊治療の後、残念ながら、子どもに恵まれなかった可能性が高いのですが、この時、ターゲットである参加者がイベント会場に来場する、ということは、自分たちがこの辛いプロセスを経験して子どもに恵まれていない事実を暗に認めての参加であることを意味します。また、会場はシェアオフィスというオープンスペースであるため、これら非常にセンシティブな事実が周囲に知られてしまう可能性があり、得られた深層心理が、「参加したくないという心理的ブレーキ」になっている様子が分かってきました。結果として、この時、展開していたプロモーションが、当日のプライバシーへの配慮を欠いている様子が浮かび上がってきました。

​深層心理を辿るプロセスと、真因と判断し、掴み取るチカラ

ここでのポイントは2つ。インタビューされる側の本人でさえ気づいていない、これら深層心理を探っていくプロセスを辿ることができるかどうか、と、それがトークイベント不参加の真因であると理解して掴み取れるかどうか。この2点です。

the previous<<      >>the next